東大駒場での授業

中国語2019(TLPクラス:通年)

東大では、1年生の時に、既修外国語(多くは英語)と未修外国語、二ヶ国語を必修科目として学ぶことになっています。旧帝大だと同様のカリキュラムを展開している大学は多いようですが、入試科目が少ない大多数の大学では、必修は英語だけ、とか、英語以外…

北京社会文化研修2019(東大LAP=リベラル・アーツ・プログラム)

2019年9月8日から15日まで、学生8名を連れて1週間の海外研修(北京)を行いました。 しかし、ただの海外研修ではありません。 重要なポイントは2つあります。 (1)日本語を使わず中国語で1週間を過ごす。 なので、かなり中国語スキルがないと困ります…

武田泰淳の戦前戦中(大学院/2019年度秋冬:Aセメスター)

武田泰淳(1912−1976)は日本文学史上戦後派の作家として知られています。戦後派の作家として彼がユニークなのは、彼の知的背景に中国文学が根深く入り込んでいることです。日中文学交流史上、彼ほど深く近現代中国文学を理解した作家はいません。自分の作品…

東大駒場カルチャーレポート2018(3)同時進行の文化現象とのシンクロ

学生レポートの一部にも反映されているが、2018年度に同時進行していたいくつかの社会的文化現象やTV番組等と授業がシンクロすることがあって興味深かった。最も大きかったのは、映画「ボヘミアン・ラプソディ」のヒットとこの作品をめぐる評論だったように…

東大駒場カルチャーレポート2018(2)昨年度との違い

さて、東大生に自分の文化体験を発表してもらう授業だが、今年度の授業と昨年度とを比べると、大きな違いがいくつかあった。 ①受講者数:昨年度11名 ⇒ 今年度5名 ②受講者分布:昨年度〜本郷の諸学科の内定生(2年生)が多く、大学院生もいた。 ⇒ 今年度〜駒…

東大駒場カルチャーレポート2018(1)概観

今年度も昨年度に引き続き、東京大学教養学部後期課程(3,4年生)の「比較文化論」で学生の文化体験を発表してもらう授業を行った。 とにかく、学生諸君の体験談を聞くのは楽しいし、もっと多くの学外の人に知ってもらってもよいと思う。 彼らが書いたレポー…

東大駒場カルチャーレポート2017 受講生の報告内容概観

さて、六年前の2011年度の同様の授業で印象に残ったのは次の三点である。 一、学生が専門を選ぶ際にサブカルチャーが果たす作用 二、「女オタク」あるいは「腐女子」の耽溺(頽廃)の諸形式とその心理 三、SNSの利便性とその効力 一については、2011年度は、…

東大駒場カルチャーレポート2017 授業開講の動機

1962年に生まれ、60年代から70年代の特撮作品やアニメ、マンガにどっぷり浸かって子供時代を過ごした私は、大学で教え、子の親になっても、当時の作品群に対して、言いようのない感覚を持っていた。そのことを鮮明に意識させられたのは、初め1993年にNHK総合…

東大駒場カルチャーレポート2017 授業開講まで 

以下、2017年度に「比較文化論」を開講するまでのことを少し。 今から8年前の2009年度、東大教養学部・教養学科に比較日本文化論(通称「比日」)コースがあった時、今は現代思想コースの開講科目になっている「現代文化構造論基礎」を担当したことがあった…

東大駒場カルチャーレポート2017 目次

目次は以下の通り。 (1)高野とうふ 2.5次元俳優と観客―登竜門としての2.5次元 舞台の仕組み― ・・・・・7 (2)藤村明日香 インターネット空間におけるファン活動 ~静画・文章以外に関する記述・分析・考察~ ・・45 (3)S. K. ボーカロイドブームに…

東大駒場カルチャーレポート2017

東京大学教養学部2017年度のAセメスター(秋冬学期)の「比較文化論」で、学生達に、自分の文化体験をプレゼンしてもらい、討議する授業を行なった。 1月末締切で提出してもらったレポートが力作ぞろいで、とてもおもしろい。 内輪だけで読むのは惜しいので…