2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

亡父のこと

父が逝ったのは1998年、私が36歳の時。父は63歳だった。 私はその前年末に脳出血で1ヶ月入院し、年が明けてから3ヶ月ほど自宅療養を強いられていた。入院中、父は田舎の三重から何度か横浜まで見舞いに来てくれた。ある時は足にけがをしたといって、足を引き…

周作人研究〜周作人という人物について

周作人というのは近代中国の文人作家です。生まれたのは1885年ですから、今から100年以上前の人です。ちょうど百年前の1920年に満35歳、北京大学教授、新文化運動のオピニオンリーダーの一人として旺盛な活動をしていました。その時に武者小路実篤が提唱した…

中国語2019(TLPクラス:通年)

東大では、1年生の時に、既修外国語(多くは英語)と未修外国語、二ヶ国語を必修科目として学ぶことになっています。旧帝大だと同様のカリキュラムを展開している大学は多いようですが、入試科目が少ない大多数の大学では、必修は英語だけ、とか、英語以外…

北京社会文化研修2019(東大LAP=リベラル・アーツ・プログラム)

2019年9月8日から15日まで、学生8名を連れて1週間の海外研修(北京)を行いました。 しかし、ただの海外研修ではありません。 重要なポイントは2つあります。 (1)日本語を使わず中国語で1週間を過ごす。 なので、かなり中国語スキルがないと困ります…

武田泰淳の戦前戦中(大学院/2019年度秋冬:Aセメスター)

武田泰淳(1912−1976)は日本文学史上戦後派の作家として知られています。戦後派の作家として彼がユニークなのは、彼の知的背景に中国文学が根深く入り込んでいることです。日中文学交流史上、彼ほど深く近現代中国文学を理解した作家はいません。自分の作品…

『周作人研究通信』目次、PDFファイルダウンロード

『周作人研究通信』は、2014年6月に創刊した研究者向けの専門的電子ジャーナルです。2013年に出版した『周作人と日中文化史』(勉誠出版)の執筆者合評会を母体にして周作人研究会を立ち上げ、およそ半年に1号のペースで刊行して来ました。 周作人は、1885…